2013年3月アーカイブ

تخلية السمك

思いついたときに書かないと、ブログで言及することをすぐに忘れてしまいます。

خلى」のⅡ形については、料理用語として、「骨を取って身を取り出す」というような意味があるようです。

表題の意味は、「魚をさばく」というところでしょうか。

 

هاكر

先般話題にした「أومامي」は、アラブ世界で浸透している言葉とは思えませんが、

http://www.arabic-japanese.com/blogs/arabicjapanese/2013/02/post-126.html

既登録語でコンピューター犯罪者を意味する英語の「ハッカー」(hacker)については、複数形が間違っていたようですので、訂正しておきました。

複数形は英語の発音をそのまま「هاكرز」とするのが一般的だとのことです。

また、「ハッカー」の表記も「هاكر」よりも「هكر」と記される(複数形は「هكرز」)方が普通になりつつあるとのことですので、こちらについても登録しておきました。

طحالب

サウジ人と話をしていたら、ジッダの日本料理屋の話になりました。
首都リヤドには日本食レストランは5軒しかないそうですが、ジッダには20軒あり、更に増えそうな勢いで、オープンなヒジャーズとお堅いネジドの違いを想起させます。

さて、ジッダの日本食レストランの中に、「わかめ」という名前のレストランがあるそうです。日本人からするとレストラン名に「わかめ」とは何となくしっくりきません。その命名はさておき、「わかめ」に対応するアラビア語は何かという話になった際に、「طحالب」(「طحالب بحرية」)ではないかというところで落ち着いたのですが、その際に興味深い言及がありました。

それは、「海藻」や「わかめ」の意味で、「طحلب」(「طحلب بحري」)と単数形で使うと、大変印象が悪くなる、すなわち、腹を空かせた貧民が岩場に付着したいかにもゴミのような海藻類を食べあさるようなイメージがあるとのこと。

ところが、この語を複数形で、「طحالب」(「طحالب بحرية」)とすると、いかにも学術的な用語のようで響きが良く、それを食べると聞いてもおかしいとは感じないとのこと。

その際に、単数形の響きが良くない語を複数形にすると聞こえがよくなったり、その逆もあると聞きました。

なお、そのような例として、「امرأة」は女性という意味で良い響きの語であるとのこと。ところが、この語の3つある複数形のうち、「نساء」や「نسوة」ついては同様に良い響きがあるそうですが、「نسوان」は下品で低俗な響きがあるので、一般的な女性(複数)の意味で会話や文章で使うのは御法度だそうです。

中級辞書Ver.4.32のアップロード

- アラビア語-日本語電子辞書データ更新報告 -
辞書名:中級辞書Ver.4.32
辞書の説明:(Ver.4.30から)新規に200語の追加、約100語の既存入力語の訂正の実施。
特記事項:特になし。

زواج

昨年、このような話題を書きました。
http://www.arabic-japanese.com/blogs/arabicjapanese/2012/06/post-111.html

この「زواج」という語にもどういう訳か複数形がありません。「数度の結婚」と複数扱いせざるを得ない場合もあると思います。

アラブ人に質問すると、無理矢理「زواج」を複数形っぽくした妙な造語も出てきたりして、皆でおかしくてなって笑いました。

زيجة」なら複数形に出来るという提案もあったのですが、一般的には使われないその語には政略結婚的な意味合いもあり、「زيجات」は、けったいに聞こえるので使えないという結論になりました。

という訳で、アラブ人に解決してもらった「زواج」の複数扱いについては、中級辞書の次期バージョンで示しておきましたので、見てみて下さい。
 先週末、当地(ジッダ)でXPAT FACTOR (expatriate factor) という欧米人主催のジャンルを問わない音楽のコンテストがあり、当初はそのコンテスト会場(今回は英国総領事館)にはピアノがないと言うことで出場は断念していたのですが、ピアノを利用する出場者がいるため急遽用意されることになり、正味一週間しか練習できませんでしたが、妻にオーケストラ部分をキーボードで弾いてもらい表題の曲の第一楽章の最初と中間と最後を6分程度でまとめて演奏しました。


 総計約6分とは言え、チャイコフスキーのこのピアノ協奏曲は出だしから重厚な和音が多いのでまずは相当な力が、そして第一楽章の最後の部分は慌ただしいので集中力がないと続かず、練習時から相当疲れた中であっという間に本番を迎えました。
 
 当日予行演習で会場へ行くと、用意されていたピアノが電子ピアノでこれには拍子抜けしてしまいましたが、本番では、200名弱の聴衆の前でなんとかそつなく演奏を終えることが出来ました。アジア系では我々とシンガポール人が出場していました。入賞はしませんでしたが、こういう場に顔を出し日本のプレゼンスを示しておくことは、対外的にはそれなりに意義があったかもしれません。

 なお、クラシック音楽の特定の曲については(例えば、このチャイコフスキーピアノ協奏曲第一番)、アラビア語Googleで検索してもほとんど何も出てこず、クラシック音楽はアラブ人にはまだまだ未知の分野のように思います。

متفرغ

Ⅴ形能動分子のこの語については、いくつかの辞書に、「free(暇にしている)」という意味が載っていたので、今の今までそういう意味で理解していました。「رجل متفرغ」であれば、「暇でぶらぶらしているおっさん」という意味と。

ところが、「المورد」の辞書に、この語の意味として「1.献身的に従事する、フルで忙しい、2.フルタイムの、常勤の」と書かれており、上記理解とは全く逆であることが分かり、唖然としました。意味するところが、「無職で暇」ではなく「フルタイムで働いている」などとは思いもしませんでした。

念のためアラビア語を母国語とする人に確認したところ、
فرغ」の意味からすると誤解されやすいが、「متفرغ」は「フルタイム、常勤」という意味で、「غير متفرغ」が「パートタイム、非常勤」の意味であるとのこと。

زوجة متفرغة」といえば、仮にその人が家でいるなら、「家事に料理に習い事に子供の教育にとフルで忙しくしている妻」という意味で、「時間があり余って気楽に過ごせる有閑マダム」ではないとのこと。

また、「سائق متفرغ للرئيس」であれば、「社長専属の運転手」ということのようです。