طحالب

サウジ人と話をしていたら、ジッダの日本料理屋の話になりました。
首都リヤドには日本食レストランは5軒しかないそうですが、ジッダには20軒あり、更に増えそうな勢いで、オープンなヒジャーズとお堅いネジドの違いを想起させます。

さて、ジッダの日本食レストランの中に、「わかめ」という名前のレストランがあるそうです。日本人からするとレストラン名に「わかめ」とは何となくしっくりきません。その命名はさておき、「わかめ」に対応するアラビア語は何かという話になった際に、「طحالب」(「طحالب بحرية」)ではないかというところで落ち着いたのですが、その際に興味深い言及がありました。

それは、「海藻」や「わかめ」の意味で、「طحلب」(「طحلب بحري」)と単数形で使うと、大変印象が悪くなる、すなわち、腹を空かせた貧民が岩場に付着したいかにもゴミのような海藻類を食べあさるようなイメージがあるとのこと。

ところが、この語を複数形で、「طحالب」(「طحالب بحرية」)とすると、いかにも学術的な用語のようで響きが良く、それを食べると聞いてもおかしいとは感じないとのこと。

その際に、単数形の響きが良くない語を複数形にすると聞こえがよくなったり、その逆もあると聞きました。

なお、そのような例として、「امرأة」は女性という意味で良い響きの語であるとのこと。ところが、この語の3つある複数形のうち、「نساء」や「نسوة」ついては同様に良い響きがあるそうですが、「نسوان」は下品で低俗な響きがあるので、一般的な女性(複数)の意味で会話や文章で使うのは御法度だそうです。