2012年12月アーカイブ

أساء の人称活用

 「أساء فهمي」は、「彼は私のことを誤解した」という文章ですが、これを「あなたは私を誤解した」とする場合、「أسأتَ فهمي」となります。

أساء」は、「ساء 」のⅣ形で、第三根素ハムザ動詞に分類されますが、最後の文字がアリフ等の支えのない独立ハムザでその前が長母音となる特殊な例かと思います。

 「أساء」の人称変化で注意を要するのは、二人称の場合には、「أساءت」とはならず、「أسأْت」となる点で、音のリズムを重視するアラビア語からは当然の変化と言えばそうですが、機械的に考えると間違えてしまいそうな人称変化ではないかと思いますので、「أساء」の項に注意書きを入れておきます。「جاء」の人称変化の応用と考えれば、いいのかもしれません。

 「注意を要するのは....」と書きましたが、単に私が文法事項を忘れつつあるだけの話かもしれません。
  文法を忘れてしまっても、それを補えるような辞書にしていければと思います。

本辞書はUnix上でも使えます

 このことについては以前にも紹介をしていますが、PDIC形式の辞書をUnix等で利用するために、stardict形式に変換したデータを提供して下さっているサイトがあります。

http://inudaisho.sakura.ne.jp/farsi/ArabicJapanese/

 辞書のバージョンアップの度に、Unixで使用できる形式に変換してデータを提供をして頂いている「犬大将」さんに、お礼申し上げると共に、Unixで利用可能であることを本HPのトップページで言及しておきました。

تمترس

  9日付けの「الشرق الأوسط」紙1面のトップ記事で、
تمترست القوات السياسية المتصارعة في مصر أمس خلف مواقف متشددة」という文章があり、この「تمترس」(四子音根動詞Ⅱ形)という単語は辞書を引いても出て来ず、どういう意味なのかアラビア語を母国語とする人に確認をしたら、「守りの姿勢に入る」とのこと。これでこの文章の意味が通ります。

 この語は、デモ隊と衝突した警官隊がバリケードの背後で「防御の態勢をとる」というような場合に使われるようです。また、「خلف」や「وراء」という前置詞を伴うことが多いようです。

 それにしても、いつまでたっても知らない単語が日々出て来ます。
 主要アラブ紙のトップページの2行目に不明な単語が出てくるとは、この辞書の完成度を高める道のりはまだまだ遠そうです。

مؤتمِرون

 ドーハでのCOP18の記事を読んでいたら、「مؤتمرون في الدوحة」と書いてあって、「مؤتمر」(Ⅷ形受動分子)は会議という意味ですが、これが能動分子だと「会議出席者」の意味になるんですね。今回初めて知りました。

 「مشارك」と同じ意味になりますが、会議参加者は常に複数ですので、「مؤتمر」が単数形で使われることはないということになります。

 ところで、その動詞の「ائتمر」は既登録語ですが、「陰謀を企てる」という意味では、Ⅷ形ではなくⅥ形で通常使われます。また、第一義的には、命令に従うという意味ですので、「مؤتمر」(Ⅷ形能動分子)の追加とともに訳語を一度まとめ直しておきます。