サウジアラビアへ運んだグランドピアノ(1)

 中東へのグランドピアノの運送、今回使った運送業者が細心の注意を払ってくれなかったことから、ちょっと面倒なことになりました。

 まあ、中東で持ち回っていたら多少は傷むだろうと覚悟はしていたのですが、初っ端からこれでは、中東勤務を終え、無事日本へ持ち帰れるのかが心配になってきます。

 ピアノを含む船便は6月16日に到着。そして、業者のハンドリングが悪かったので、ピアノの大屋根を取り付けているちょうつがいのネジが外れてしまいました。かなり痛々しい感じです(写真を見たい方は「表示」をクリック)。

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 グランドピアノの大屋根は側板より若干出ていて、立てると数センチ段差ができるようですが、これをそのまま地面に立ててしまった場合、大屋根にピアノの全重量がかかり、ちょうつがいが破損するようです。グランドピアノハンドリングチャージが請求されていたので、業者にピアノの運搬、組み立てに関する基本的な知識があると信じていたのが間違いでした。こんなことになるのであれば、運搬・組み立てに関する注意点などはネットで検索すれば写真入りの解説がいくつかあるので、事前にこういうのをよく見てポイントを押さえ、業者に注意を促してばよかったのですが、後の祭りでした。

 大屋根のちょうつがい部分は、結局大工さんに修理してもらうことになりました。ちょうつがいの裏面に接着剤を流し込み、ネジを一本追加して固定させました(写真は「表示」をクリック)。
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 大屋根というのは結構重いもので、小型グランドピアノでは10~20kg位はあるでしょか、これを一度壊れて修理したちょうつがいで支えられるのかについては、不安が残ります。大屋根はあまり開けないようにするというのが当面の対処方針で、日本へ持ち帰ってから(可能かどうかは分かりませんが)再度修理するというところでしょうか。

 実は、今回の大屋根のちょうつがい問題には、さほど気をもむことはありませんでした。それは、鍵盤をたたけば、本物の音も消音機能の電子音のいずれもとりあえず鳴っているからです。これが鳴らないとなれば、発狂していたかもしれません。しかしながら、とりあえず鳴っているという、この「とりあえず」ということについては、いずれブログで取り上げる話題になります。鳴っている音に満足している訳ではなく、そして、ここサウジではそれを改善するてだてもなさそうだからです(続く)。