最初に購入を考えた機種は、アコースティックのピアノではなく、アコースティックピアノの技術と電子ピアノの技術を融合させた「ハイブリッドピアノ」と呼ばれる機種でした。
https://jp.yamaha.com/products/musical-instruments/keyboards/about_hp/
その中で、2009年に発売されたグランドピアノの形をした「AvantGrand N3」という機種は、その大きさ、重さ、デザイン性という点も含めて、集合住宅で本物の音を出せない環境下で購入するには最も理想的な機種ではないかと思い、何度もヤマハのピアノ売り場へ出かけて、鍵盤タッチや全体の雰囲気等を確認していました。
https://www.yamaha.co.jp/product/piano-keyboard/avantgrand/
正直のところ、最初にこの機種を見たときからの「一目惚れ」であり、見たり触れたりを繰り返しているうちに、益々この機種が自分にとっては最適なものではないかとの思いが強まってきました。
ところが、ほぼこの機種の購入を決めかけていたとき、ある楽器店のセールス担当の方からこう言われました。
「AvantGrand N3の値段では、小型のグランドピアノが買えてしまう。せっかくなら、本物のグランドピアノをお勧めする。音量を出せないと言うことであれば、本物のグランドピアノに消音装置の付いているものを購入することで解決できる。消音装置付きのグランドピアノであれば、音を出せる環境が整った際には装置を外して本物の音を出すことも出来る。AvantGrand は所詮電子ピアノであるので、よく持って10年くらいだと思う。アコースティックピアノなら、きちんとメンテをすればあなたが生きている間は使える。長期的な視点から購入を検討することが重要です。」
「AvantGrand N3」は、アコースティックピアノを弾いたときと同様の感触を味わえるように、専用のグランドピアノ・アクションにより鍵盤タッチをグランドピアノに近づけていたり、グランドピアノを弾くときに感じる自然な振動をデジタル技術でつくり出し、それが指先等にも伝わってきて、まさに本物を弾いているような感触を味わうことが出来ます。そういう意味では、このハイブリッドピアノは、電子(デジタル)ピアノを進化させた、本物のピアノに最も近い機種だと言えると思います。
しかしながら、本物はやっぱり本物。セールス担当の方に勧められて消音装置付きのグランドピアノを弾いてみると、ハンマーも見えるし弦も見える。(左のペダル(シフトペダル)を使う曲など弾いたことはないが)左ペダルを踏むと鍵盤全体が右方向へ動くというグランドピアノ標準の仕様。黒塗りの重厚感。ピアノを見向きもしない子供にも、ピアノの構造くらいを説明してやることは出来そうだ。
「AvantGrand N3」への情熱が冷め始めました。
更に調べて見ると、グランドピアノは搬入時に鍵盤部を縦にして運べますが、「AvantGrand N3」は、鍵盤部を長期間縦方向で置いておくことはお勧めしないとのこと。この点は、いずれ海外に持っていかざるを得ない際の問題になると思われました。何らかの事情で鍵盤部を縦にして船便で運送した場合、いざ着いて組み立てたら音が出ないという不具合が発生した時のショックを思えば、本物のグランドピアノであれば、縦方向での保管に問題はなく、消音装置部分が仮に壊れても、アコースティックピアノとして、最悪でも本物の音は出せるだろうということです。
こういうことで、「AvantGrand N3」は断念し、消音装置付きのアコースティックのグランドピアノの購入を検討することになった訳です(続く)。
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