日本へ戻って久しぶりに自宅の書庫にあるアラビア語関係の書物を見ていたら、「MODERN STANDARD ARABIC Internediate Level」(1971年ミシガン大学近東研究科発行のⅠ~Ⅲの3巻本)を見つけ、学生時代にこの教科書でアラビア語を勉強したことを懐かしく思い出しました。大変良く出来た教科書で、当時の定番のアラビア語学習書でした。初級書がオレンジ色だったのでオレンジ本、中級書は緑色なので、緑本と呼んでいました。
第Ⅰ巻のページをめくっていたら、第一課(الدرس الأول)の本文(その教材は توفيق الحكيم の أرني الله という小説)の中に「طار شوقا」という表現がありました。
この表現は、中級辞書にも収録していますが、実のところ今までに聞いたことがなく、実際使われているのかと疑問になり、Google Arabic や Reverso のサイトで検索しましたが、ヒットしません。そこで「Proz.com」で翻訳専門家に質問してみました。
その答えは、「大喜びする」、「嬉しさで小躍りする」の意味で使うのは、「طار فرحا」の表現であるとのことでした。
他方で、「تحرق شوقا」という表現があり、こちらは「身を焦がす」、「待ち焦がれる」、「じれったく思う」という意味であるとのことです。
となると、教科書に載っていた「طار شوقا」は一体何だったのかということになりますが、もう半世紀前の教科書であり、当時は使われていたが、現在では使われなくなった表現であろうと推測します。
翻訳専門家は、「طار شوقا」を誤用法であるとはっきりと言っていました。