ソムリエ(3)

アラビア語

ソムリエから始まった話の最終回は、文法的な話題となります。

「فَعَّال」形の形容詞には継続性と強調の意味があり、この形に「ة」が付き、「فَعَّالَة」となると、更にその継続性と強調が強められると言われています。この説明はアラビア語の文法書の男性名詞と女性名詞の箇所でよく取り上げられています。
「ة」が付くと普通は女性名詞扱いになるのに対して、「فَعَّالَة」形は男性名詞としても女性名詞としても扱われ、また、複数形を持たないことが特徴になるようです。
そのような名詞としては、「علامة」、「ذواقة」、「فهامة」、「بحاثة」などがあります。

ところで、近年使われる用語の「デジタルノマド(digital nomad)」のアラビア語訳が、「رحالة رقمي」(単数)と「رحالة رقميون」(複数)になっており、前者は上記の文法から理解できるのですが、後者の形容詞が何故複数形になっているのか疑問に思いました。

この点について、アラビア語を母国語とする人に確認したところ「رحال」の複数形には2つあって、一つが「رحالون」、もう一つが「رحالة」とのことで、「رحالة رقميون」の「رحالة」は「رحال」の複数形であるということが分かりました。
なお、複数のデジタルノマドを「رحالون رقميون」とする表現は文法的に可能だと思いますが、どいういう訳か、「رحالة رقميون」という表現で定着しているようです。

アラビア語の難しさを改めて痛感します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました