昨年末に、知人からアラビア語における東京の綴りは何故「طوكيو」であって「توكيو」ではないのかという質問がありました。この質問は、ペルシャ語で東京やテヘランは、「توكيو」や「تهران」と表記されるとの対比の上での質問でした。
アラビア語を母国語とする人達にこの問いについて照会してみましたが、どれも思いつきのような回答で、納得のいくものではありませんでした。
日本の地名や会社名、例えば、東海、東北、徳島、鳥取や東芝、TOYOTA、TOTO等は全て「ت」始まりで表記されます。「ط」ではありません。では、東京やテヘランでは何故「ط」で始まるかとなると、これはその当時の外国の地名をアラビア語表記化した学者に聞くしかないと思いますが、恐らく、東京やテヘランは世界を代表する大都市であることを踏まえ、軽い「t」音の「ت」ではなく、重く深みのある「ط」音を充てたということではないかと推測します。
ということで、明確な回答はないのですが、「ت」音がもたらす軽々しさを避け、東京やテヘランという世界的に重要な首都の偉大さや重々しさを示すためというところではないかと思います。