احترز , احترس

形が似ているこれら2つの動詞は、「気をつける」、「用心する」、「警戒する」という意味ですが、アラビア語を母国語とする人に確認したところ、これらには少し違いがあるようです。

احترز」は、既に存在する危険等に対し「気をつける」ということで、例えば、「落ちている釘に気をつける」とか「食事において糖質に気をつける」というような場合に使われます。「気をつける」というよりも「避ける」と訳すのが適当な場合が多いようです。
なお、動名詞の「احتراز」は、コロナ感染に対する「予防的措置」という意味で、最近、複数形で多用されています。

他方で「احترس」は、将来起こるのではないかと予想されることに対して「気をつける」という意味で、「(家に侵入してくるかもしれない)泥棒に気をつける」とか「(ぼんやりしていると落ちてしまうかもしれない)道のマンホールへの落下に気をつける」という場合に使われます。
なお、この動名詞の「احتراس」は存在しますが、あまり使われることはなく、また、複数形で使われることはないとのことです。

ついでながら、「احترز」にせよ「احترس」にせよ、目的語が動名詞になる際には、「~しないように気をつける」と訳すのがぴったり来るようです。
احترس من الوقوع في الحفر」という文章は、「彼は穴に落ちないように気をつけた」と訳されます。