虫の知らせ

偶々、虫が関係してくる表現がいくつかあって、その中の一つは「حشرات مقرفة」という表現だったのですが、「مقرف」というⅣ形能動分詞は初めて見たので、調べてみたら「気味が悪い、ぞっとする」という意味で、この表現の意味するところはゴキブリやゲジゲジなどの「嫌な虫」であることが分かりました。

この形容詞(能動分詞)の動詞は、Ⅳ形の「أقرف」ですが、動詞で使われることはありません。
動詞では使われるが動名詞では使われないケースやその逆のケース、上記の例のように形容詞(分詞)では使われるがその動詞や名詞は使われないというようなことが時々アラビア語では見られます。

そのついでに、そういえば「虫の知らせ」ってアラビア語でどう言うのかと調べたときに、「نذير الشؤم」と言う表現を思いついたのですが、これは「虫の知らせ」とはちょっと違います。

日本ではカラスは現在では忌み嫌われることが多いですが、アラブでも同じです。
こういうカラスのようなものが「نذير الشؤم」であって、「不吉の前兆」とか「不幸を呼ぶ前触れ」という意味になります。
子供の頃に、「霊柩車を見たら親指を隠せ」と子供同士で言ってましたが、こういう場合に使われる表現です。

それで、「虫の知らせ」なんですが、これは既に「中級辞書」に登録済みでした。関心があれば、日本語から検索して下さい。そこでヒットする語が「虫の知らせ」(根拠はないが、良くないことが起こるのではないかとのふとした感じ)にはぴったりの語です。