ややこしいハムザ

中級辞書で「جرح كبرياءه」(プライドを傷つける)という例文を登録していましたが、ハムザの形が誤っていました。
正しくは、「جرح كبريائه」になりますので、訂正しておきます。

ハムザはアラビア語の文法の中でも複雑で、現代法と古典用法で異なるところもあり、敬遠しがちですが、現代用法のポイントは押さえておく方がいいと思います。

アラビア語を母国語とする人達でさえハムザの書き方はよく間違うようですので、母国語としない我々の多少の間違いは許容範囲であるとは思いますが...。

中級辞書では、ハムザの書き方で気になるポイントには説明を入れてきていますが、まだまだ不十分です。
今回、こういう間違いをしていたのを契機に、更に説明を加えておきました。

例えば、「جزء」の対格は「جزءا」であり、「بناء」の対格は
「 ًبناء」であり、「عبء」の対格は「 ًعبء」となるのは、ハムザの書き方の基本原則によりそれぞれ理由があります。

また、「أعضاء الوفد」(代表団のメンバー:主格)と表記されるのに対し、接尾代名詞がつくと「رئيس الوفد وأعضاؤه」(代表団長とそのメンバー:主格)のように単独ハムザ「ء」が「و」を支えとする「ؤ」に変化するなど、ハムザは、アラビア語文法を難しくさせるややこしい存在であることに間違いありません。

因みに、「رئيس الوفد وأعضاؤه」を属格にすると、
رئيس الوفد وأعضائه」になります。対格も同様であるのは、冒頭の誤りの例からもお分かり頂けると思います。