2019年1月アーカイブ

شحمة

最近、「شحمة الأذن」という表現に出くわし、調べてみたら、「耳たぶ」という意味でした。

شحمة」という単語が中級辞書に未収録であったので調べたところ、
شحم」という集合名詞に対する個体名詞で、意味は「脂肪の一塊」とか「脂身の一部」のようです。辞書の中には、鳥、それも太った鳥という意味があるとするものもありました。なんとなく脂肪でブヨブヨしたものというイメージがあるのではないかと思います。

耳たぶが特に脂肪が詰まっている部位とは思いませんが、
شحمة الأذن」という表現は面白いと思いました。

また、「شحمة」を調べている際に関連表現として、「شحمة العين」は
「眼球」を意味するといくつかの辞書に載っていましたが、眼球も脂肪でできているとは思われず、白っぽく脂肪でできているように見えるものは「شحمة」が使われる傾向があるように感じました。
因みに、「眼球」は、「مقلة العين」の方が一般的に使われる表現になります。

شحمة الأرض」という表現もあるようで、「西洋松露(トリュフ)」の意味がありますが、特に白トリュフは土地に生える脂肪というイメージがあります。また、「白い幼虫、線虫」や「ミミズ」にような意味もあり、地面や地中にいる白くブヨブヨしたものを指すようです。

شحمة」の日本語訳を何とするかについてはもう一度考え直しますが、一つの単語を登録するまでにかなりの長時間を要することがあり、改めて辞書を作成するのは大変な作業であると痛感します。


東京、テヘランの綴り

昨年末に、知人からアラビア語における東京の綴りは何故「طوكيو」であって「توكيو」ではないのかという質問がありました。この質問は、ペルシャ語で東京やテヘランは、「توكيو」や「تهران」と表記されるとの対比の上での質問でした。

アラビア語を母国語とする人達にこの問いについて照会してみましたが、どれも思いつきのような回答で、納得のいくものではありませんでした。

日本の地名や会社名、例えば、東海、東北、徳島、鳥取や東芝、TOYOTA、TOTO等は全て「ت」始まりで表記されます。「ط」ではありません。では、東京やテヘランでは何故「ط」で始まるかとなると、これはその当時の外国の地名をアラビア語表記化した学者に聞くしかないと思いますが、恐らく、東京やテヘランは世界を代表する大都市であることを踏まえ、軽い「t」音の「ت」ではなく、重く深みのある「ط」音を充てたということではないかと推測します。

ということで、明確な回答はないのですが、「ت」音がもたらす軽々しさを避け、東京やテヘランという世界的に重要な首都の偉大さや重々しさを示すためというところではないかと思います。

謹賀新年(2019年)

新年明けましておめでとうございます。

本年もぼちぼちペースですが中級辞書の更新を進めていきますので、宜しくお願い致します。

いつでしたかNHKの「チコちゃんに叱られる」で、「大人になると一年が早く過ぎるのは何故?」という質問があって、その答えは「子供の頃は未知の体験が多く毎日がワクワクしてときめきが多かったのが、大人になると感動が減り淡々と物事が進んでしまうから」というようなことでした。

諸事について初心に戻り、アラビア語についても初心を大切にして、アラビア語に関する知識を得ることにワクワク感を維持したいと思います。

ところで、先日、知人から「アラビア語で「東京」は何故「توكيو」ではなく
طوكيو」と書くのか?」という質問を頂いたのですが、この問いにはアラビア語学習の初心に戻る新鮮さを覚えました。

アラビア語を母国語とする人に尋ねる等して調べた結果については、次回書いてみたいと思います。

因みに、アラビア文字表記を基本とするペルシャ語では「توكيو」、同じくウルドゥー語では「ٹوکیو」と綴られるようですね。