2016年10月アーカイブ

中級辞書Ver.5.12のアップロード

- アラビア語-日本語電子辞書データ 更新報告 -

辞書名:中級辞書Ver.5.12

登録語彙数:52,000語

辞書の説明:(Ver.5.10から)新規に200語の追加、約30語の既存入力語の訂正の実施。

特記事項:特になし。

كادر

複数形が「كوادر」のこの語は、今まで、HANS WEHR 等の辞書の訳を信じて、 組織の「幹部」とか「首脳陣」の意味と理解していたのですが、アラビア語を母国語とする人から、そういう意味はないと教えられました。
恥ずかしながら、30年近くも「كادر」をそのような意味だと信じていた訳です。

アラビア語彙を説明するサイトである「المعاني」では、「كادر」についてこのような説明がなされています。

この語彙サイトの説明の中でも、「كادر」には「骨格」とか「骨組み」という意味があると書かれていますが、「骨格」や「骨組み」は、
هيكل」や「إطار」という語が一般的であり、「كادر」を見て「骨格」や「骨組み」と理解する人はまずいないというのが、アラビア語を母国語とする人のコメントでした。

現代アラビア語として一般的に理解される意味だけを選び、「كادر」の訳語を訂正しました。
中級辞書の次期バージョンで確認して下さい。



تحطم と تهمش

تحطمت الطائرة 」という文章は、今まで、「飛行機が墜落して、その機体は粉砕した」というイメージをもっていたのですが、どうもそういう意味ではないようです。

تحطم」は例えば、子供が自動車の模型を壁に投げつけて、自動車の原型は留めているものの、一部のタイヤが取れたり、ライトが壊れたりといった状況を意味するようです。従って上記の文章は、「飛行機が墜落したが、機体が粉々になったのではなく、機体のメインの部分は残り、飛行機としての原型を留めている」という意味になるようです。

これが、墜落して機体が原形を留めることなく見るも無惨に粉々になった場合には、「تهمش」が使われるとのことです。

中級辞書Ver.5.10のアップロード

- アラビア語-日本語電子辞書データ 更新報告 -

辞書名:中級辞書Ver.5.10

登録語彙数:51,000語

辞書の説明:(Ver.5.08から)新規に200語の追加、約60語の既存入力語の訂正の実施。

特記事項:特になし。

MSのプログラムミス?

Windowsに標準で組み込まれているアラビア語入力システムを利用して、例文(表現)として、「彼を甘やかす」という意味で「دلل」(動詞Ⅱ形)に接尾代名詞の「ه」を付けようとすると「دلله」と自動的に表示されてしまいます。

Windowsのアラビア語入力システムはかねてから不具合が多く、Windows7でかなり改善されましたが、それでも未だにこのようなことが起きるようです。何らかの設定でこの現象を回避する方法があるのかもしれないとも思ったのですが、いじれるところはないようです。

上記例文は、「ه」を「ها」に変えて、「دللها」(彼が彼女を甘やかした)とすることで、問題なく表示できました。
دلل」に接尾代名詞の「ه」を付けるような文章を作成する場合もあり得ると思いますので、「ل」と「ل」と「ه」のキーを続けて押すと、「لله」に自動変換されるのが不都合な場合はあるように思います。

PS:「彼の子孫」という意味でキーを叩くと、「سلله」と問題なく表示されました。今回の現象( دلله)は初めての経験でしたので、ほとんどの他の語との組み合わせの場合にはきちんと表示されるのではないかと思います。これ以上の検証は時間の無駄のように思いますので、止めておきます。