2016年3月アーカイブ

道路関連の用語(交差点等)

意味を誤って登録していた道路関係の用語がありましたので、訂正しておきたいと思います。

تقاطع الطرق」は「交差点」や「十字路」のことです。

他方で、「مفترق الطرق」は、道路が交差するのではなく、一本の道が枝分かれする場所のことで、「分岐路」や「分かれ道」と訳すのが適当です。なお、「مفترق الطرق」には、道路でなく物事の「岐路」、「分岐点」、「曲がり角」という意味もあります。

また、高速道路のインターチェンジやジャンクションのことは、「تقاطعات الطرق」と言われるようです。

مفتاح

このような基礎的な単語に意外な意味があるようです。

مفاتيح الدول」とか「مفاتيح الاتصال الدولية」という表現は、日本なら81のような、国際電話の「国番号」のことです。

また、「مفاتيح المدن」とすると、「市外局番」になります。

このような意味で「رمز」も使われることがあるようですが、アラビア語を母国語とする人によれば、「مفتاح مصر」と聞くと、たいていの人はそれがエジプトの国番号を意味すると分かるが、「رمز مصر」と聞くと、それはエジプトのシンボルで、ピラミッドなんかをまずは想像するのが普通だろうとのことで、「国番号」や「市外局番」には「مفتاح」を使うことを推奨されました。

なお、郵便番号は、「رمز بريدي」と表現するのが一般的です。

中級辞書Ver.4.96のアップロード

- アラビア語-日本語電子辞書データ 更新報告 -

辞書名:中級辞書Ver.4.96

登録語彙数:49,600語

辞書の説明:(Ver.4.94から)新規に200語の追加、約20語の既存入力語の訂正の実施。

特記事項:特になし。

騒ぎ

「騒ぎ」や「騒動」を意味するアラビア語として、
صخب」、「ضجيج」、「جلبة」、「ضجة」などが挙げられますが、これらの中には、別の意味を含む単語もあります。

صخب」については、例えば、ホールに到着した芸能人に対して観客が歓声を上げてキャーキャー騒ぐといった、好意的な反応での「騒ぎ」という意味があります。

また、「ضجة」については、例えば、北朝鮮がミサイルを発射して国際社会に「波風」を立てたとか、「不快感」を呼び起こしたというような「良くない反響」という意味があります。

この辺りの単語についても、例文も含め辞書データを更新しておきたいと思います。

殺到

「殺到する」という意味の単語をまとめ直しました。
結論は概ね以下のとおりです。

1.人がセールや新製品の発売で店に押し合いへし合いで殺到する場合→「اندفع
2.主に事故により群衆が殺到して、その結果押し合いへし合いになったり将棋倒しになる場合→「تزاحم」「تدافع
3.人が殺到するが、秩序が保たれ順序だって並んで集合してくる場合→「تهافت
4.人ではなく、苦情、賞賛、祝辞等が会社や個人等に殺到する場合→「انهال」「تدفق

以上が、大まかな分類です。なお、「تهافت」は昔は、押し合いへし合いで人が殺到するという意味合いがあったようですが、今では秩序だって集まる場合、例えば、チケットを持った入場者がサッカー場へ列をなして相次いで入って来るような場合に使われるようです。

例文も加えて、辞書データを修正しておきたいと思います。

多数表示名詞

絶版になっているので使っておられる方はほとんどいないと思いますが、日本語で書かれたアラビア語文法書である「アラビア語入門」(池田修著、岩波書店)の名詞の説明の箇所で、「多数表示名詞」というのがあり、「مفعلة」という形は、「あるものが多数ないしは豊富に存在することを示す名詞」であるとの説明があります。

そのような例として、
أسد」(ライオン)→「مأسدة」(多くのライオンがいる場所)
أفعى」(毒蛇)→「مفعاة」(多くの毒蛇がいる場所)
رمان」(ザクロ)→「مرمنة」(多くのザクロがなる場所)
等が挙げられています。

アラビア語を母国語とする人に確認したところ、腹を抱えて笑い出し、そのような単語は初めて見たとのことで、「多数表示名詞」というアラビア語文法は一蹴されました。

مدرسة」(学校)などは、「درس」(学習)が多い場所ということで、「学校」を意味すると考えられなくもありませんが、なんでもかんでもを「مفعلة」形にすることで、「多数が存在する場所」を表せるなどということは、現代アラビア語ではないということになります。