2015年7月アーカイブ

中級辞書Ver.4.84のアップロード

- アラビア語-日本語電子辞書データ 更新報告 -

辞書名:中級辞書Ver.4.84

登録語彙数:48,400語

辞書の説明:(Ver.4.82から)新規に200語の追加、約30語の既存入力語の訂正の実施。

特記事項: 特になし

راحة , استراحة

「休憩、休息」を意味するこれらの単語についても違いがよく分からなかったので、アラビア語を母国語とする人に尋ねたところ、以下のとおりでした。

راحة」:スポーツや筋トレ等の激しい運動やきつい仕事を行った際に短時間取る休憩。これが基本的な意味で、例外として病気の際の「安静、療養」という意味があり、この場合は数時間の短時間でも一年の長期間でも使われる。「休憩」の意味意外に、「安心、安らぎ」、「手足の裏」の意味もある。

استراحة」:一般的な「休憩、休息」を意味するが、時間的には「راحة」よりは長時間であるのが一般的。また、休憩場所も意味する。高速道路等で「استراحة」という看板が出ているのは日本で言うサービスエリアのような休憩所のこと。
以下用例。

استراحة التدخين」:喫煙所(一服して一息つく場所)
استراحة للتدخين」:喫煙、喫煙時間
استراحة الغداء」:昼食を取る場所
استراحة للغداء」:昼休み、ランチタイム
استراحة بعد العمل」:勤務後の(自宅等での)休息
استراحة خلال العمل」:(勤務中の)休憩、休憩時間

أنقذ , أغاث

この2つの動詞の意味の違いがいまいちよく分からなかったので、アラビア語を母国語とする人に確認しました。
その結果は次の通りです。

أنقذ」:生死に関わる危機的状況に巻き込まれている者の救助、救出
أغاث」生死に関わる危機から逃れた人の援助、支援、救援

地震で崩れた家屋に取り残された人や船から海へ落ちた人の救出には「أنقذ」が使われ、地震で救出された人や被災民への支援・救援には「أغاث」が使われるということのようです。

نكد

未登録語だったので登録しておきましたが、この語は形容詞で「気むずかしい、不機嫌な、怒りっぽい」を意味します。

HANS WEHRの辞書には動詞も含めて、色々な訳語がありますが、現代で「نكد」が意味するのは以下のとおりだとのことです。
1.形容詞(気むずかしい、不機嫌な、怒りっぽい)
2.名詞(気むずかしさ、不機嫌、怒りっぽいこと)
3.動詞Ⅱ形(~(人)を不機嫌にする)
この語が動詞Ⅰ形で使われることはないとのことでした。

قائد の複数形

いくつかの辞書に、「قائد」の複数形に「قواد」があると記されていますが、アラビア語を母国語とする人の話をまとめると以下の通りでした。

قواد」→使われない。「qawwad」の発音で「ポン引き」の意味があり、誤解を防ぐためにも使われなくなったのではないか。

قادة」→ 一般的な複数形。

قادات」→ 上記の「قادة」程には一般的ではないが、見られる複数形。

この説明を踏まえ、次期中級辞書バージョンで「قائد」について、訂正しておきたいと思います。

 

فطن

この動詞は、前置詞「ب」を伴って、概ね「أدرك」と同様の意味を持ちますが、各種辞書によれば、この動詞の母音符号には、
「fa-ti-na」、「fa-ta-na」、「fa-tu-na」の3通りがあると書かれています。

アラビア語の学習者が、未完了形を含む3通りの母音符号を覚えるのは面倒であり、現代アラビア語で使用頻度が高い順に(或いは、使われるものだけを)覚えておくのが妥当なところではないかと思います。

アラビア語を母国語とする人に確認したところ、
「fa-ti-na」→一般的

「fa-ta-na」→このような発音が聞かれることもある

「fa-tu-na」→使用されない

ということでしたので、この動詞の発音は、「fa-ti-na」で覚えておくのが無難と言えそうです。

中級辞書Ver.4.82のアップロード

- アラビア語-日本語電子辞書データ 更新報告 -

辞書名:中級辞書Ver.4.82

登録語彙数:48,200語

辞書の説明:(Ver.4.80から)新規に200語の追加、約60語の既存入力語の訂正の実施。

特記事項: 特になし

سحور

現在イスラム圏はラマダン月ですが、ラマダン月にイスラム教徒が食する夜明け前の食事のことを 「سحور」 と言います。

未登録語であったので登録したのですが、その際に、「سحور」には、魔法や手品を意味する「سحر」の複数形であると気付きました。

しかしながら、アラビア語を母国語とする人に尋ねたところ、「سحر」の複数形として「سحور」が使われることはなく、複数形は「أسحار」のみであるとのこと。「سحور」はラマダン中の日の出前の食事のことであり、それを魔法や手品の複数形と理解する者はいないとのことでした。

HANS WEHR等の紙ベースの辞書に記される名詞の複数形の整理(現代で一般的に使われない複数形への注釈付け)というのは、辞書作成上の引き続きの大きな課題になります。

وخز بالإبر

夏期休暇を早めに取得し、6月は日本へ戻っていました。

特段のアラビア語関係の話題はないのですが、

(1)日本の各書店で調べた結果、中・上級者向けアラビア語関連書籍は、特に見当たりませんでした。
      以下のブログ以降、中・上級者向けアラビア語関連書籍に関する変化はないようです。

http://www.arabic-japanese.com/blogs/arabicjapanese/2013/11/post-156.html

(2)帰国時にいつもお世話になる整体院で、今回、鍼治療を受けました。
目の疲れと頭が重い感じを軽減するために治療を受けたのですが、いきなり頭がすっきりして、即効性のあるその効果に驚きました。
鍼を打つことで、神経が良い方向へ改善した感じです。
因みに、鍼(鍼治療、鍼灸)はアラビア語でなんというのかと調べて見たら、中級辞書に登録済み(表題)でした。