アラビア語学習としてのアラブ文学作品

前回のブログで、近代アラブ文学の代表的な作家に、タハ・フセイン、マフムード・アルアッカード、タウフィーク・アルハキームがいると書きましたが、それぞれの作家の文体は順に、甘い、苦い、甘苦くちょうど良いなどと言われるようです。
また、現代アラブ文学では、ノーベル文学賞を受賞したナギーブ・マフフーズなども思い起こします。

さて、これら文学作家の作品を、初級・中級のアラビア語学習の教材として読むことについては、個人的には疑問に思っています。

タハ・フセインの「الأيام」にしても、最初の2~3ページの中に、一般的には使われないような単語がいくつも出てきます。
すなわち、それらは、一般のアラブ人に尋ねると首をかしげられる難しい単語で、そのような単語を覚えても実用的とは思えません。

アラブのTV、新聞、雑誌などは、今ではインターネットのおかげで、どこにいても簡単に視聴・閲覧できるようになりましたが、これらの報道言語をまずはしっかりと学ぶのが、アラビア語学習の基本ではないかと思います。

このアラビア語-日本語電子辞書は、報道言語を中心とする現代アラビア語向け辞書という位置付けで編集しており、現在編集中の中級辞書の最終バージョンにて、報道言語のほとんどをカバーしてしまいたいと思っています。

なお、現時点での中級辞書の完成率は8割程度(すなわちこの辞書を使って、報道言語の8割は理解できる)というところではないかと思います。