2014年1月アーカイブ

استرسل

あまり使う単語ではないと思いますが、この語はHANS WEHRの辞書にも沢山訳があるので、これらの訳でどれがよく使われるのかについてアラビア語を母国語とする人に聞いてみたら、基本的には一つの意味しかないとのこと。

そうすると、「送ることを求める(Ⅹ形にありがちな訳)」とか、「髪が長く伸びる」とか、「親密にする」とか、「くつろぐ」とかのまことしやかな訳は一体何なのかと思ってしまいます。そのアラビア語を母国語とする人に、名高い辞書によればこれらの意味があるはずだと問うと「ええっ」と驚かれます。そういう反応にこっちが「ええっ」と思うケースがこの「استرسل」に限らず実に多いです。

古典では、そのような意味で使われることがあったのかもしれませんが、現代アラビア語では、「長々と~をする」という意味でしか使われないようです。前置詞「في」の後に名詞や動名詞をつなげて「話が延々と続く」とか「愚痴が止まらない」などという表現に使われます。

このアラビア語-日本語電子辞書は、現代アラビア語を基本としていますので、現在使われない訳についてはばっさりと切り捨ててしまうのがいいのか、或いは[まれ]としてとりあえずは残しておく方がいいのかが悩ましいところですが、今後はどちらかというと前者の方向で編集を進めていこうかと思っています。

中級辞書Ver.4.46のアップロード

- アラビア語-日本語電子辞書データ更新報告 -
辞書名:中級辞書Ver.4.46
辞書の説明:(Ver.4.44から)新規に200語の追加、約100語の既存入力語の訂正の実施。
特記事項:特になし。

刺す

「刺す」という意味のある動詞について、少しまとめてみました。

لسع」→この語は、蚊、蜂、ブヨなどの小さな虫が人を刺す場合に使われます。

لدغ」→この語は、サソリや蛇などの節足動物や爬虫類が人を刺す(咬む)場合に使われます。

وخز」→この語は、針などを人や動物に刺す場合に使われます。採血のために指を針を突き刺すような場合にもこの単語が使われます。

قرص」→この語は、「لسع」と同じく小さな虫が刺す場合に使うことが出来ますが、その意味では、「لسع」が使われるのが一般的です。「قرص」の元々の意味は、悪さをした子供をしつけるために親が「ひねる」・「つねる」になります。

طعن」→色々な意味を持つ語ですが、「刺す」の意味では、人や動物が対象で、刺した後の刃物等は抜かれます。

شك」→人や動物を対象に「刺す」ことですが、刺した後の刃物等は抜かれます。(とげなどが)「突き刺さる」の意味もあります。

غرز」→人や動物を対象に「刺す」ことですが、刺した後の刃物等は抜かれず刺されたままです。地面に杭を「打ち込む」ような意味でも使われます。

謹賀新年(2014年)

最近どういう訳か、月日の過ぎ去るのがあまりにも早く感じます。

そして、自分自身には、ほとんど進歩がないことを嘆きます。

本年もスローペースではあると思いますが、辞書の更新を続けていきます。

ところで、中級辞書の使用条件として、辞書の中で発見した間違い等の指摘をお願いしています。

利用者の皆様から頂く指摘の中には、誤訳、文字や母音符号の打ち間違い、使用頻度の高い単語の未登録等があり、改善点の多さを痛感しています。

この場を借りまして、本アラビア語-日本語電子辞書の利用者の皆様からのご協力に感謝申し上げるとともに、より良い辞書の作成を目指していくことを、新年に際しての決意としたいと思います。