كبرى

 「كبرى」は、「أكبر」の女性形ですが、この語の説明に、「強意」であるとか「大きさや規模の強調」という説明を加えている辞書や参考書があることに気付きました、その説明では不十分に思うところがあったので、少し例文を示して考えてみることにします。

حرب كبرى
これは、「大戦」という意味で、具体的には第一次世界大戦と第二次世界大戦のことを指します。2つの世界大戦と言う場合には、「حربان كبريان」とすればいいでしょう。

مدينة كبرى
こういう表現が示されている参考書があり、その意味は、「一つの大都市」ということになりますが、一般的に言えば世界の中から一つの大都市を挙げることは難しいので、「مدن كبرى」と複数形で使うのが普通のようです。それらは例えば、ニューヨークであり、ロンドンであり、東京であるということになります。なお、WIKIによれば、「مدينة كبرى」は「大都市圏」と訳されることもあるとのこと。

دولة كبرى
意味は、国力の観点からの「大国」です。その筆頭は当然ながら米国です。サウジアラビアは世界的には「دولة كبرى」とは言えないかもしれませんが、「دولة كبرى في المنطقة」(中東(湾岸)の大国)という風には言えると思います。サウジアラビアは「大きい国」だという場合は「دولة كبيرة」と言えばいいでしょうが、その場合には単に「面積的に大きい国」という意味にも取れます。

شركة كبرى
大企業という意味で、世界的にはエクソンモービルとかマイクロソフトとかトヨタ等があてはまります。

أخت كبرى
姉妹の中の長女です。3人姉妹の真ん中の次女は「أخت كبيرة」と言えますが、「كبير」と言ってもそれは、年齢的に年上と言うことで、体つきの大きさを意味することはありません。

以上、一般的に言えばという観点からの例示ですので、文脈によっては違う意味になる可能性があります。